0.GPDPocketに、Linuxを入れて復活させる【はじめに】

はじめに

 GPDPocketは、クラウドファンディングで資金集めをしていることを知って興味をもったのが最初だった。小さな筐体でWindowsフルスペックというのが魅力的なのだが、いかんせんこの手のデバイスはCPUが非力である。これもWindows10が載っているのは良いのだが、何をやるにも「もっさり君」なため、初め手にした興奮が覚めると,いつの間にか使わなくなっていったという経緯があった。根っからの小さい物稠密精巧物好きの小生にとり、このGPDPocketは決して悪くない。ボディのしっかりした剛性感ある造りや縦横奥行きの寸法比、梨地仕上げのセンスの良さだとかは、ストライクゾーンにかなり肉薄する。しかし、最後の実用性、しかも速度。これがいかんかった。「もっさり君」じゃだめなんだよなあといったところなのである。
 では今回なぜそんなGPDPocketにLinuxをインストールしたのか。前回本日誌「ONKYOBX407A4にLINUXを入れて復活させる」の二番煎じか。否。ポメラDM250である。6年ぶりに遂に世に出て来たポメラDM250を、買うべきかどうか迷い(いや、買うつもりでいたのだ。「次にポメラが出てきたら絶対買うぞ」と思っていたのだ。そして遂に出た。そうしたら、迷ってしまったのだ)現在手元にあるGPDPocketのOSをLinuxに替えて使いものにならないようなら、オークションで潔く売り払った金に少し足してポメラを買おうと考えたわけであった。結果、懸案の速度はどうだったか。GPDPocketは予想していた以上に快適である。「もっさり君」が「シャキシャキ君」になった。通常の使用、エディタでの文書作成やブラウジング、においては何ら遅さを感じさせない。さらにLinuxが普通感覚で手軽に使えそうになってきたとすら感じさせてくれた。他のデバイスとの接続性の進化だ。プリンターはむろんスキャナとも比較的すんなり接続できる。隔世の感である。さらには日本語入力環境だ。小生はUim-Anthyの組み合わせを使用しているが、これも変換精度、使い心地ともに7年前よりはまずまずの進化である。以前の Anthyに泣かされ続けたことを思うと、「成長したねえ」と声をかけてしまうのである。最後のとどめとして、GPDPocketも本稿で解説するように、ハイバネートがきちんと動く。と、言うよりハイバネートがないとポメラの代わりにはならぬ。代わりにするための最低条件が整ったのである。そんなわけでポメラDM250購入は、代わりが整ったことを受け大きく揺らいだ。最終決着はポメラ電気店で手に取ってみた時だった。少し大きく、重い。すなわち、ちょっと間延びした感じ。寸法、重量、質感、機能、価格。すべてを取り混ぜた総合的なパフォーマンスバランスが、小生にとっては良くない。ポメラDM30の購入を迷ったときのことが脳裏をよぎる。「あの時も決着は電気店だった。あの時はキー入力のタイムラグだったっけ。」ポメラを購入するのは今でなくても良い。次作に期待することにした。
 さて、ポメラに代えるべく復活させるGPDPocketのほうだが、実用的な速度を出すためにとにかく軽く、内容的にバランスがとれている物ということで、LinuxMintとMateの組み合わせとした。最初Xfceとの組み合わせでインストールしてみたのだが、ちょっと重ためな気がしたためMateも試してみることとし、結局Mateに落ち着いた。

仕上がり内容

GPDPocket近影

準備と方針

  1. LinuxMint20.3"una" Mateをインストールする
  2. Linuxを通常使用できる状態に設定する
  3. ログイン画面の横倒し状態を直す
  4. ハイバネーションを使えるようにする
  5. GPDPocketハイバネート使用感と、デスクトップ設定について